フラッシュメモリを外して「新品です」と偽って販売されるケースがあるとのこと。
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フラッシュメモリが中古のリサイクル品かどうかを簡単に確認する手法が開発される
2018年05月08日 17時00分00秒
スマートフォンなどに内蔵されているフラッシュメモリには長い寿命が備わっているため、古くなって捨てられたデバイスからフラッシュメモリを外して「新品です」と偽って販売されるケースがあるとのこと。この詐欺行為を簡単に暴くことができる技術が、アラバマ大学の研究チームによって開発されました。
That New Memory Smell: Tech Can Tell if Your Flash is New or Recycled – IEEE Spectrum
spectrum.ieee.org/tech-talk/semiconductors/memory/that-new-memory-smell-tech-can-tell-you-if-your-flash-is-new-or-recycled
この技術は、繰り返して使用されるごとに情報を記録する「セル」の不良が増加するというフラッシュメモリの特徴を利用したものです。フラッシュメモリはセルの中にある「浮遊ゲート」に電子を出し入れすることで情報を記録し、読み出すという動作を行いますが、トンネル酸化膜と呼ばれる絶縁層に「格子欠陥」と呼ばれる不良箇所が増大し、劣化が進みます。一度この層が劣化すると、このセルはもう二度と使うことができなくなります。
通常、フラッシュメモリを駆動する際には5ボルトの電圧が与えられますが、アラバマ大学のビスワジット・レイ准教授が率いる研究チームでは、プラス20ボルトとマイナス20ボルトの電圧をかけることで素子がリサイクル品であるかどうかを判定する仕組みを作り上げました。レイ氏によると、フラッシュメモリのセルは読み書きを繰り返すごとに不良セルが増加することで、メモリの情報を消去するイレースタイムが長くなるという特性があるとのこと。レイ氏らは、この特徴がメモリ素子の「年齢」を知るうえで最も有効な測定基準であることを見いだしました。
By yellowcloud
レイ氏によると、この仕組みは簡単に利用することができ、スマートフォンがあるだけでも実行することが可能であるとのこと。また、精度が高いのも特長で、製品寿命の3%程度しか経過していないフラッシュメモリでも「リサイクル品」と判定することが可能だそうです。
しかしこれにとどまらず、研究チームではさらに性能の高い検査方法を開発している模様。まだ公表前の段階だという新手法「program disturb」は、通常は16キロバイト程度を1つの単位とするメモリの「ページ」に幾度となく読み書きを繰り返させ、その際に生じたメモリの反転(=エラー)の発生率を調べるというもの。この手法を使えば、新品状態から寿命の1%を経過しただけのフラッシュメモリでもリサイクル品であると判定できるといいます。
レイ氏は「実際にはリサイクル品であるフラッシュメモリを新品とうたって販売するケースが多くあります。そして、そのようなメモリは通常の検査を難なくクリアしてしまいます」と語り、新たに開発した検査方法によって古いメモリを新品と偽って売る詐欺行為を発見できるとしています。
By Hellebardius
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